エンジニアのソフトウェア的愛情

または私は如何にして心配するのを止めてプログラムを・愛する・ようになったか

稼働率を100%にしてはいけない、と思う

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな」を読んだわけなんですが。

仕事には3つの緊急度があると考えることにするとのこと。

  1. 今すぐ
  2. 今日中に
  3. 明日やる

で、基本的に仕事は「明日やる」に分類しなさい、というのが本書の趣旨。
今日は昨日のうちにバッファリングしておいた仕事をこなす。今日入ってきた仕事はバッファリングしておく。翌日、バッファリングしておいた仕事をこなす。その日に入ってきた仕事はバッファリングしておいて…(以下略)。

はたしてそんな仕事の仕方ができるんだろうか?と読みながら考えてみて。すぐにこのやり方にシフトするのは難しいと感じたとしても、できないことはないだろう、というのが最後まで読了してのわたしの感想。書籍の中でも指摘されているんですが、もしこれがうまく回らないのであれば、それは仕組に問題があって使っている仕組が業務に対応できていない、ということらしい。


いま携わっている仕事では。午前中に不具合レポートが上がってきて、夕方定時までに回答を返せ、というパターンがすくなくなく。要は上記の「今日中に」の仕事が少なくなく。わたしたちは現在は開発を外部に委託しているので、委託先の協力会社のエンジニアの方々ががんばって回答を返してくれます。ありがたいことに。でも。不思議なことにそのための時間は事前に報告される週の予定には当然入っていません。彼ら彼女らもプロですからそういったことにも対処できるような体制にしてあるはずですが、これににはいつもいつも釈然としない思いを持ってました。


数日後、稼働率に言及しているブログを読み、「少なくとも報告されている仕組と実際の業務が合ってないんだ」と腑に落ちました。


いま携わっている仕事のように、いつ不具合がレポートされるかわからないような業務の場合、フル稼働してはいけない、というか「させてはいけない」が正解なんだと思います。継続しておこなう通常業務は70%とか80%とかで運用して、「今日中に」やらなければならない仕事のための力を残しておく。もしも通常業務に100%割り当てられていたとしたら、それが「仕組に問題があって使っている仕組が業務に対応できていない」ということになってしまう。

文章にすると当たり前すぎて、ブログのネタにもならないなー、と思えてきてしまうんですが。


で、ためしに一昨日のミーティングで「仕事に余力とかあります?」と訊いてみました。
返ってきたのは「めいっぱいやってます」という答え。
どうもわたしの意図とは反対に、稼働が足りないと感じていてそういった質問した、と思われたようです。これは、委託をする(結果的に圧力をかけることになってしまう)発注元のわたしが所属している組織の文化の影響なのか、それとも委託を請け負う側の文化の影響なのか、あるいはまた委託する側も請け負う側も関係なく、日本国内のソフトウェア開発の業界の文化の影響なのか。

いまの仕事からだけでも、なんとかしたくてたまらない、です。