- 2009.04.19 : エンジニアの閉塞感 - エンジニアのソフトウェア的愛情
- 2009.05.11 : 「適切な契約期間は?」 - エンジニアのソフトウェア的愛情
- 2009.09.17 : ソフトウェア開発の請負と内製と - エンジニアのソフトウェア的愛情
LTのトリを務められたF-Questの笠木さんと懇親会の席でお話しする機会を頂きました。LTのなかでのエンジニアの流動化というセリフに反応して、これは話をせねばと思い、半ば割り込むように話に混ぜてもらいました。よい企業になるためによいエンジニアを雇用するという笠木さんの考えそして仕事に共感。ただそれだけでなく、いまわたしが関わっている仕事のように、大きな企業との付き合いになったときに正しい関係を築くしくみが必要な気がするとわたしの意見(わたしはいま「大きな企業」の側にいますが、協力会社に過剰にコスト削減を迫る関係は正しい関係とは思えません)。加えて、わたし自身が仕事を選ぶとしたらといった話にも乗ってくださいました。
LTのベストトーカーとなった角野さん。角野さんのLTを聴くのはたしか3回目。今回も話のテンポも内容も興味深く面白いものでした。角野さんの勤務地とわたしの勤務地は徒歩5分の距離。以前名刺を交換したのを覚えてくださっていて、LTの時間に収まらなかった話のその先まで懇親会の席で詳しく伺うことができました。角野さんの職場の大改造をしたのは従業員5人の会社。建築の職人たちと顧客との間に入りビジネスとして成立させている。ここでも、IT業界もこうあるべきだ、と角野さんと意見が一致。イタリアの職人の仕事ではそういった仕組が確立していて、いま情報収集しているとのこと。その後いまの人事制度がおかしい、というか機能してないよ、という話からいろいろヤバイ話へと。
そういえば。エンジニアは職人であるべきという主張を後押しするかのように、先日このような翻訳本も出てますね。
角野さんは言葉だけでなく、実際に開発にXPを取り入れたりと地道にしかし確実に活動を続けられているようです。組織はそう簡単に変われるものではないですから地道に活動を続けることが重要。自分以外の人のこころに火をつけて回る活動。午後の本間さんのワークショップでは、その火の付け方を体験させてもらいました。
わたしがいつも抱いている疑問。今回のワークショップの場のように自主的に参加する人の集まりであればみんな活発に発言してくれます。でも会社ではそんなばかりではない。どこへどのように働きかけたらいいのだろう?
本間さんの答え:まず火のつきやすいところに火をつけなさい。新聞紙のように火のつきやすいものもあれば丸太のようにつきにくいものもある。まずはつきやすいものから。それからだんだん広げていけばいい。それに丸太は火がつきにくいけれど、一度つけばよく燃えてくれる。
角野さんと話をしていて、角野さんのしてることがそれなんだ、とわたしの中でふたつがリンク。
ワークショップでは話のしきり役も体験。体験してわかったこと。今回のワークショップはすべて本間さんのコントロールの下にあった。プロなんだから当たり前なんですが。マシンガントークで圧倒され、細かい(一部細かすぎる)ネタに笑い、今回はワーク自体は参加者に丸投げした、とおっしゃっていましたが、参加者のトークに対する反応や会話の内容から次に必要なアクションを考え状況を読む、そして次の展開をする。自分自身が人の前に立ち、そのときはいっぱいいっぱいで何かに気付く余裕なんてなかったのだけれども、ワークが終わってふりかえってみたときに、なぜ本間さんがあのタイミングであの話題を振ったかとか、質問にしたのかとか、すごく高度なことをしていることに気がつきました。
懇親会の席でそのことを伝えたんですが、そのときうまい言葉が見つからず失礼なもの言いになってしまった気が。無礼すいませんでした m(_ _)m >本間さん。
それから。ワークでのしきり役をやったあとのふりかえりにて。わたしの立ち振る舞いについての感想が出てこないのが興味深くて。なので自分からどんな感じだったか訊いてみたところ、「目立たなかった」との答え。面白いなぁと思っていたらオブラブ(元オブラブ?)の懸田さんが「しきり役が目立たないということは参加者は課題に集中できてたということで、それはいいことだと思う」と、時間が押しているにもかかわらず伝えてくださったこと、とてもうれしかったです。
帰り際。角野さんから聞いた話――職人とビジネスの話――は笠木さんにも聴いてもらいたいと思い、センターの門をでたところで笠木さんをつかまえてかなり端折りながらも説明。案の定、笠木さんも関心をしめしてくれました。
業務連絡:そのようなわけで、角野さん。笠木さんに角野さんの連絡先伝えてもいいですか?
エンジニアは解放されるべきだと思う。
もっと正当に評価されるべきだと思う。
そのためにも仕組を整える必要があると思う。
それが思いを新たにしたこと。
午前の部。メインディッシュの関さんの公演。…なのですが…。情けないことに今週分の疲労とスライドのために会場を暗くしたことと相まってか話の半分をこぼしてしまいました。
申し訳ない気持ちでいっぱいです…。
講演後の質疑応答の内容からしても、すごく大事な話をされたことが伺えただけに、悲しいやらもったいないやら申し訳ないやら。
あと。実は。「dRubyによる分散・Webプログラミング」持ってます。頂き物ですが。ブログに記録に残ってないんですが、たしかアレグザンダー祭りの時に頂いたもの、のはず。
分散プログラミングは昨今では必須のスキルでしょうし、それをRubyで学べるというのでとてもありがたいのですが…。半分ぐらいで挫折中。申し訳なさすぎる…。
特記事項
アイスブレイクが前例のないほどの難易度の高さ。登壇者と参加者、参加者どうしで笑いのポイントを探り合う、どこか緊張感さえ感じる時空間がそこに出現。
- 作者: 関将俊
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2005/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (144件) を見る
2010/07/17:追記
ざっと目を通してInstapaperに放り込んだままになっていたエントリ、をいま読みなおしたところ。
やっぱり答えがあるのはこっちの方向な気がする。