ひとり、プロジェクトから抜けることになりました。幸か不幸か、開発規模は以前よりも小さくなっているので、人月上の労力の計算では不都合はないのですが、プロジェクトに必要な知識は、全部置いていってもらわないとなりません。
頭を悩ますのは、引き継ぐ人には何を知ってもらえばよいのか、ではなくて、引き継ぐ人は何を知らないのか、またそれをどうやって知ればいいのか、です。これは本人に話を聞いても出てきません。
「あなたは、何を知らないのか、それを教えてください」
なんとも、応えを得られなさそうなこと請け合いな質問。「ないものを視る」のと同じ。知識や思考はなんともやっかいなものです。