エンジニアのソフトウェア的愛情

または私は如何にして心配するのを止めてプログラムを・愛する・ようになったか

柔らかな死

ステーブ・ジョブズは、Apple製品の化身である
(Steve Jobs was the personification of Apple’s products)


クレイジーな人たちに乾杯 | TechCrunch Japan
(Here’s To The Crazy One | TechCrunch)


以前、自販機で買ったコーヒーを飲んでいるときに。「この自販機の取り出し口の大きさを決めた人がいる」と、ふと思ったときがあった。「角のこのカーブの曲率を決めた人がいる」。デザインに限らず、しくみを考えた人、そもそもどんな機械にするかを決めた人がいる。そう思ってしまうと、目につくものすべてに誰かしらの意図(それが深いか浅いかは別として)があることが見えてきて、「ここにもあそこにも人がいる」、と感じたときがあった*1


「自分の書いた物が誰かに読まれたら、そのときぼくはその人の中に蘇る」と誰かが言っていたのを思い出した*2。自分を構成しているソフトウェアが、その人の中で再生されると。


誰かが製品の化身というよりも。製品が彼(の一部、というか彼らの一部)の現れというほうが適当かな。とか、そんなことを、ふと思ってみたり。


で、思ったり思い出したりしたことをせっせと記録する自分がここにいる、と。


ラッカー奇想博覧会 (ハヤカワ文庫SF)

ラッカー奇想博覧会 (ハヤカワ文庫SF)

  • 短編「柔らかな死」を収録。

*1:「アブナい人」とか思わないでください(苦笑)。

*2:これもルーディ・ラッカーだったと記憶しているけれど、現時点確認できず。