エンジニアのソフトウェア的愛情

または私は如何にして心配するのを止めてプログラムを・愛する・ようになったか

モチベーター

ネルシーニョ監督(柏):


Q:今日は大谷選手というキーマンを欠きましたが、代役の茨田選手の選択に関して、安英学選手や兵藤選手というところで迷いはなかったですか。


「その決断は非常にシンプルでした。日々のトレーニングの中で観察していますので。茨田は非常に質の高い選手ですし、今まで私が要求してきたことを消化して、チームのために仕事をしてくれています。今回も大谷によく似たタイプをとの判断の中で、茨田はそのままスムーズに入ることができました。本当にチームが必要としている仕事をしてくれています」


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00119251.html


柏バカ(別名、レイソル・サポーター)のひとりE_Mattsanです。今回は引用多め。
ソフトウェアプロジェクトとの共通項は「チームプレイ」という点ぐらいですが、大事なことが詰まっていると感じたので言及しておきたいと思った次第。


昨日の試合で、ゲームキャプテンであり攻守の要となる大谷選手が欠場。この大事なポジションに監督は今月20歳になるプロ2年目の茨田選手を抜擢しました。記者の質問のとおり同じポジションには実績のあるベテランの安英学選手や兵藤選手がいます。正直わたしも同じことを考えました。安選手、兵藤選手でなく茨田選手を選んだ監督はすごいな、と。
できのよい選手を使うというのは昨年からかわらないのですが、常日頃から選手たちのことを本当に気にかけていないとできない難しいことだと思います。

  • 常日頃から、そのときの、その人自身を、よく観る

増嶋竜也選手(柏):


Q:今日は茨田選手にコーチングする場面も多かったように見えましたが。


「久しぶりにバラも出て、やってやろうって意気込みは見えたので、あんまり何かを言うよりも、一回一回のプレーで声かけて。『良かったぞ』っていう。モチベーションを上げさせれば、バラの持ってるものはすごいんでね。あんまりこうしろとか言わずに好きにやらせました」


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00119252.html


増嶋選手も中堅の経験豊富な選手です。そういった選手が19歳の選手でも「持ってるものはすごい」と思えば、指示を出すより「良かったぞ」と声をかける。茨田選手のすごさは柏バカなら知るところですが、こういうことを自然とできる増嶋選手もすごいな、と。

  • アドバイスよりも、たびたび、何度でも、承認


もちろんアドバイスの方が有効な場合もありますが。

久々のスタメン出場となったのは茨田選手。これまで開幕から全試合にボランチのポジションで出場を続けてきた大谷主将が、高熱を伴う体調不良で無念のドクターストップ。監督が代わりに出番を授けたのが茨田選手でした。試合直前、ロッカールームからピッチへと向かう選手を送り出す監督以下スタッフたち。いつもは力強い握手なのですが、今日のネルシーニョ監督はバラにはなんと「バモバモ!」と両手で頬をビタンビタンと叩いて闘魂注入を!「いやーあれにはビックリしました!初めての気合いの入れられ方だったので(笑)」と試合後には話していましたが、あれで相当気合いが入ったようです。「まずは守備でタニさんがいなくても、チームのリズムを崩さないようにこころがけた」と謙虚に話していましたが守備では栗澤選手とのコンビで相手のチャンスを潰し、攻撃では得意のスルーボールでチャンスを作りました。
ネルシーニョ監督も「バラを選んだ理由はシンプル、日々の練習で観察して決めただけ。今日も大谷同様にチームに必要なプレーができる選手だから。今日も問題はなかった」と合格点をあげていました。


日立台広報日記: 王者への挑戦


茨田選手だけでなく、このエントリを書いた河原広報だけでなく、これにはわたしもびっくり。知っている監督の印象と違ったので。逆に言えば、必要と思えば印象云々関係なくなんでもする用意があるということでしょうか。あまりに違うことすると相手が戸惑うことになりそうですけど。

  • 期待を、相手に伝わるように、明確に示す


今回の試合の記録を拾っていって、観客の観えないところでこんなやりとりがあったことを知ったわけですが。あらためてモチベーション大事と思うと同時に、チームにはモチベーターが必要なんだな、と。
ともすればただ持ち上げるだけの行為になりそうですが、きちんと裏付けを持って相手の調子を上げてあげる。うーん、難しい。難しいけど大事。