エンジニアのソフトウェア的愛情

または私は如何にして心配するのを止めてプログラムを・愛する・ようになったか

プロジェクトを遅らせる方法

プロジェクトの完了を遅らせるには。無謀な強気の締め切りを設定して、残業と休日出勤を繰り返す。これだけで、強気な締め切りはもちろんのこと、本来の妥当な締め切りを超えて、いくらでも完了を遅くすることができます。
デマルコの著作の中で、なんどもなんとも繰り返し説かれていることですが、これがそうかと実感できる体験をしてしまいました。

試作機のソフトウェアの納入というまぎわになって、致命的な欠陥が、あるパートで見つかりました。一週間ほどつつきまわしたあげく、わたしが担当するパートに調査の依頼が回ってきました。コードとログだけを頼りに解析すること、2時間あまり。発見元のパートの挙動が、あやしいとあたりをつけました。
最初から、期待しない挙動をする部分を、ひとつひとつたどっていけば、気がつけた問題です。担当外のわたしが2時間ほどで見つけられたのですから、担当者であればもっと早く気づいたことでしょう。
疲労による集中力の欠如にとどまらず、問題に正対することを避けたくなる、のでしょうか。
結局、この欠陥は修正されることなく納品されました。次回の試作機納入まで2週間。納入のために先延ばししていた夏期休暇も挟まり、いよいよもって、解決の見込みが薄い、気がします。